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かつては「赤線・青線」とよばれた地帯が存在し、温泉街として知られる熱海にも存在していました。
その「赤線・青線」は売春防止法により廃止されましたが、廃止前までは慰安旅行における一種の「娯楽」としてもてはやされていました。現在の熱海市内における旧赤線・青線地帯は、糸川べりが旧赤線、渚町の一部通りが旧青線に相当しています。

青線に相当する渚町の一部通りでは、居酒屋・スナックなどの飲食店が狭い路地に並び、それらに交じって質屋と呼ばれる建物まで点在しています。通りを離れた場所では、熱海の芸者が集う場所が立地しており、芸者は300人近い芸者が所属しているとされています。

旧赤線の糸川べり界隈では、かつてはカフェー街とよばれていました。そこに軒を連ねている建物では、モザイクタイル・豆タイルや波打つ模様のデザインの壁、花や葉を模したレリーフ、青やピンクなどの色調、変わった曲線のファサードや手すりなど実に多いです。

そんな旧赤線・青線では、特色ある建物が取り壊される運命にあります。実際、老朽化していた建物が取り壊され、更地と化していた事例が数軒出ています。かつての娯楽の一種であった旧赤線・青線は、完全消滅の一途をたどっているとしかいえません。
とはいえ、特色ある建築デザインに興味を持っているのであれば、熱海の旧赤線・青線散策もいかがでしょうか。

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